【第7回】
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債権差押強制執行財産開示
裁判で「お金を返せ」と命じる判決をもらったのに、相手がお金を返してくれない!
ある人にお金を貸したのですが、約束した返済期日を過ぎても返してくれません。弁護士に相談し、裁判を起こして、裁判所から相手に対し「こちらにお金を返せ」と命じる判決をもらったのですが、それでも相手はお金を払ってくれません。何とかなりませんか? |
判決をもらったのであれば、それに基づいて強制執行を申し立て、それによって相手から金銭を回収することも可能です。
強制執行とは、具体的にどういうことをするのですか? |
相手が持っている不動産や動産、あるいは債権を差し押さえ、現金に換えて、お金を回収します。
相手は不動産なんか持ってないし、動産と言っても、そんなお金になりそうなものは持っていそうもありません。 |
相手が金融機関にお金を預けていれば、相手の金融機関に対する預金債権を差し押さえることもできますし、相手がどこかに勤めていれば、相手のその勤務先に対する給料債権を差し押さえることも可能です。給料債権を差し押さえれば、その後、継続的に、相手の月々の給料から一定額を回収することも可能になります。
なるほど!ただ、相手はもともと勤めていたところを辞めてしまったみたいで、今の勤め先は分かりません・・。 |
例えば、相手の自宅内にある動産を差し押さえる申し立てをすると、執行官と一緒に相手の自宅に行って、場合によっては、相手の自宅内を見ることもできます。自宅内に相手の勤務先や預金先などが分かる資料があるかも知れません。また、一定の要件を満たせば、相手に対し、財産開示を求めることもできます。
財産開示とは何ですか? |
相手を裁判所に呼び出し、裁判官の前で、相手にその持っている財産のことを述べてもらう手続です。こちらから相手に対し、勤務先などを質問することもできます。相手は宣誓もしますから、うそはつけませんし、相手が呼び出された期日に来ない場合の罰則もあります。
財産開示手続を経れば、裁判所を通じて、登記所、市町村、日本年金機構、金融機関などの第三者から、相手の不動産、給与債権、預貯金債権に関する情報を取得することができます。必ず功を奏するとは限りませんが、何もやらなければ相手からの回収は見込めないでしょうから、簡単にあきらめてしまわないで、以上の手続をとることについて、弁護士に相談してみてください。