債務整理の事例
※守秘義務の関係で、一部内容を変えて記載している場合があります。
※掲載した事例は、当時の法令や社会情勢に基づいた参考事例であって、
その後の法令改正や個別の事情により、結論が異なる場合があります。
5 | 高額な過払金の返還を受けられた事例 |
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来所の経緯
依頼者は、数年前、消費者金融A社から借り入れをして、父親が消費者金融B社から借り入れた債務を一括返済しました。依頼者は、消費者金融A社に対して借り入れ金および利息を分割返済していましたが、消費者金融A社への返済につき、過払金が発生していないか確認して欲しいとのことで、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
依頼者から事情を聴取したところ、消費者金融A社への返済金について過払金が生じているかだけでなく、依頼者が父親に代わって返済した消費者金融B社に対する父親の債務についても、過払金が発生していないかどうかを調査した方が良いことが判明し、その旨の依頼を受けることとなりました。
解決内容
二種類の債務の返済について、過払金の有無を調査したところ、依頼者の債務(A社)については過払金が発生していなかったものの、父親の債務(B社)については、500万円を超える過払金が発生していました。
父親の債務(B社)にかかる過払金については、消滅時効(過払金返還請求権が消滅する時効期間)の満了日が近付いていたため、直ちに訴えを提起し、結果として500万円を超える過払金を回収することができました。
4 | 依頼者の債務を幅広く調査して、依頼者にとって最善の方法で解決した事例 |
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来所の経緯
依頼者は、交通事故を起こしたために被害者から賠償請求を受けましたが、任意保険に加入していなかったことから賠償金を支払うことができず、破産を申し立てるために、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
破産を申し立てるに当たっては、交通事故による損害賠償債務だけでなく、すべての債務を調査し、これを整理しなければならないので(一部の事務所では、過払金請求だけを取り扱っているようですが、当事務所では、そのような依頼者の事情を無視した対応は致しません)、現在、借入れをしている消費者金融を含めた全ての借り入れを聞き、取引履歴の開示を求めることにしました。
解決内容
消費者金融に取引履歴の開示を求めたところ、過払金が発生していることが判明したため、過去の借入れについても過払金が発生している可能性があると考え、既に返済を終えた消費者金融に対しても取引履歴の開示を求めました。すると、100万円を超える過払金のあることが判明しました。
しかし、総債務額からすると、およそ返済不能であるため、破産を申し立てることにしましたが、破産手続においては99万円を超えない現金は、破産者の自由財産とされることから、破産申し立て手続費用と依頼者の利益のため、破産を申し立てる前に、過払金返還請求訴訟を提起して、過払金の返還を受けました。
そして、返還を受けた過払金を破産申し立ての手続費用に充て、破産を申し立て、依頼者は残金を受け取ることができました。
3 | 事務所のネットワークによる金融機関からの借換えを実現させ、抵当権の実行を免れた事例 |
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来所の経緯
依頼者は、先物取引を繰り返すうち、借入れ債務が膨らんで、返済不能となったので、債務整理をしたいと当事務所に来所されました。
弁護士の対応
依頼者には定期的な収入があり、所有している自宅に住み続けたいとのことでしたので、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を申し立てることにしました。
問題は、依頼者が投資資金を借り入れる際、ご親族の自宅を担保にしていたため抵当権が付されており、依頼者が小規模個人再生を申し立てると、自宅の抵当権が実行され、ご親族が自宅を失うことになる点にありました。
そこで、ご親族からも抵当権者(投資資金を借入れた金融機関)との交渉について依頼を受け、抵当権者との交渉を開始することとしました。
解決内容
抵当権者に対し、依頼者の債務をご親族が引き受け、従前どおり毎月返済することを申し入れましたが、抵当権者は、あくまで一括返済を求めました。
そのため、他の金融機関から借り入れて一括返済することを検討し、複数の金融機関を当たりましたが、全て断られてしまいました。
そこで、最終的に、当事務所とお付き合いのある金融機関にお勤めの方から、特別な融資の受け方を教えていただき、無事、他の金融機関から借り入れることができました。そして、抵当権者に一括返済して、ご親族の自宅を守ることができました。
2 | 自動車を手元に残したまま、個人再生手続きで債務整理した事例 |
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来所の経緯
依頼者は、不足した生活費を補うために借入れを繰り返し、とうとう返済不能となり、債務整理のために当事務所に来所されました。
弁護士の対応
依頼者には定期的な収入があり、所有している自宅に住み続けたいとのことでしたので、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を提案しましたが、ここで、問題点が判明しました。
依頼者は、自家用車を使っての営業をしているため、定期的な収入を得るためには自動車が必要不可欠でしたが、所有する自動車には、ローン会社の所有権留保が付いており、小規模個人再生を申し立てた場合には、自動車ローン会社が自動車を引き揚げるため、定期的な収入がなくなり、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を申し立てることができなくなることでした。そのため、自動車の引き揚げを阻止するための方法を考えました。
解決内容
自動車ローン会社に対し、小規模個人再生手続中は、依頼者が支払うべき債務を、依頼者に代わって、ご親族が支払うことを申し入れ、支払を続ける限り自動車を引き揚げないことを内容とする別除権協定を自動車ローン会社との間で締結しました。その結果、依頼者は生活の糧である自動車を引き揚げられることなく、小規模個人再生手続を利用することで、自宅を守ることができました。
1 | 住宅を失わずに個人再生手続きで債務整理した事例 |
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来所の経緯
依頼者は、家計のやりくりを全て妻に任せていたところ、依頼者が気付いた時には、既に6か月分の住宅ローンを滞納していました。そのため、住宅ローン債権は債権回収会社に譲渡され、住宅ローンの残額と延滞利息の一括支払いを求められてしまいました。依頼者は、一括支払いはできないが、自宅を守りたいとして当事務所に来所されました
弁護士の対応
依頼者は、住宅ローンの残額と延滞利息を一括して支払うことはできないが、滞納した6ヶ月分の住宅ローンは用意できるとのことでした。そこで、債権回収会社に対し、滞納した6ヶ月分の住宅ローンを支払うので、月々の分割返済に戻してもらえるよう申し入れることとし、もし、債権回収会社が了承しない場合には、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を申し立て、小規模個人再生手続の中で、債権回収会社の了承を取り付けようということにしました。
解決内容
債権回収会社から、話し合いでは分割返済に戻すことができないが、小規模個人再生手続の中で協力することはできるとの内諾を得たので、住宅資金特別条項付きの小規模個人再生を申し立て、債権回収会社と交渉し、再生計画案に賛成するということで、分割返済に戻すことの了承を得ました。その結果、依頼者は自宅を手放すことなく、住み続けることができました。