事例紹介

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相続相続の事例

※守秘義務の関係で、一部内容を変えて記載している場合があります。

※掲載した事例は、当時の法令や社会情勢に基づいた参考事例であって、
その後の法令改正や個別の事情により、結論が異なる場合があります。


6 当事務所のネットワークと機動力を活用して、相続税申告期限徒過を防いだ事例

来所の経緯

依頼者の父親が亡くなり、依頼者は母や兄弟姉妹などの相続人を代表して相続税の申告業務を税理士に委任していたところ、申告期限直前になって税理士から「体調不良で業務を遂行できない」旨の連絡を受け、困って当事務所に来所されました。


弁護士の対応

お話を伺ったところ、前任の税理士は業務に着手しておらず、書類を一から集める必要があることが分かりました。土曜日にご相談を受け、月曜日に税務申告しなければならなかったため、月曜日に役所が稼働するまでにすべきことをピックアップしてスケジュールを組み、土日に動ける人員を招集して、調査班と書面作成取付班とに分け、複数相続人方へ赴くなどし、それぞれ連携しながら活動しました。両班は、公認会計士・税理士や司法書士と協同して、税務申告と不動産登記の備えに努めました。

解決内容

調査の結果、一部不動産の特殊性から相続税申告前に一定の手順を踏まなければならないことや、生前贈与と売買契約が混在していることも判明しました。当事務所の弁護士は、土地家屋調査士の協力を得て速やかに対応し、公認会計士に税務上のリスクを想定させ、関係各士業と協同して作業を行い、不可能と思われた期限内の申告と軽減税率を受けるための不動産処分を行うことができました。


5 遺留分減殺請求事件で不動産の価格が争いになった事例

来所の経緯

依頼者は、遺言者が父である公正証書遺言(※)について、他の相続人Aから、遺留分減殺請求訴訟(※)を提起されたため、当事務所に来所されました。

※公正証書遺言
民法969条に従って、公証人に作成してもらう遺言。

※遺留分減殺請求
遺留分(兄弟姉妹以外の法定相続人に対して、遺言によっても侵し得ない法律上保障されている最低限度の遺産に対する取り分)を請求すること。


弁護士の対応

遺産の大部分が不動産であったこと、相続人Aの取得した土地が区画整理中であり、相続人Aが提出した鑑定書上、低額とされていたことから、訴訟で不動産鑑定を実施しなければならないであろうという前提で、受任しました。

解決内容

裁判所は、事件を調停に付し、不動産鑑定士の資格を有する調停委員を選任しましたが、調停委員は、区画整理中の土地について、当方に不利な意見を述べていました。しかし、当方が私的鑑定書を提出したところ、裁判所は、調停委員から、当方鑑定のような考え方も成り立ち得るとの評価を受けたことから、当方が提出した私的鑑定書の結論を採用して、当方に有利な判決を言い渡しました。


4 死因贈与契約書の有効性が争われた事例

来所の経緯

依頼者は、既に、遺言者が父である公正証書遺言(※)に基づき、父の全財産を相続しましたが、別の相続人Aが、公正証書遺言より前の作成日付の負担付死因贈与契約書(※)を提出したうえ、負担を履行済みであるから、後の遺言でもこれを取り消せない旨主張して、依頼者に対し、不動産の所有権移転登記手続等を求める訴えを提起しました。
依頼者は、当事務所に対応を委任したいとして、来所されました。

※公正証書遺言
民法969条に従って、公証人に作成してもらう遺言。

※負担付死因贈与契約
一定の債務を負担することを条件に贈与する契約。


弁護士の対応

死因贈与契約書の作成日に、父が当該契約書を作成できたのかどうか、父の行動を確認したところ、およそ当該契約書を作成できない場所にいたことが確認されたので、相続人Aの本人尋問で、死因贈与契約書が作成された日(時間帯)や場所を十分に証言させて、その後に、当該証言が虚偽であることを示す証拠を提出することにしました。

解決内容

相続人Aの本人尋問で、予め用意した尋問事項と手順に従って、相続人Aが証言を覆せなくしたうえで、父がおよそ証言と異なる場所にいたことを示す証拠を提出しました。その結果、裁判所は、判決で、死因贈与契約が成立していない旨の判断を示しました。


3 自筆証書遺言の解釈が問題になった事例

来所の経緯

「Aが無職の場合、B、Cで等分に遺産を分ける」という内容の自筆証書遺言について、Aが無職の場合、ABCで遺産を分けるのか、BCで分かるのかが争われ、Aから遺産の3分の1を引き渡すよう求められたBとCが依頼者でした。


弁護士の対応

上記遺言書の文言では、ABCで遺産を分けるとも、BCで遺産を分けるとの読めるため、遺言書を作成した経緯について事情を調査し、遺言者の意図を推測することとして、受任しました。

解決内容

遺言が自筆証書であり、公正証書と違い証人がいないため、遺言者の真意を確定することができませんでした。当事務所が受任した時点では、既に裁判所は、ABCで遺産を分けるとの遺言者の意思を推定していて、これを覆すことは困難であると思われました。しかるに、遺言者の日常生活を明らかにするとともに、日常の言葉使い方を調査して、遺言書の上記文言について、言語学者の意見書を提出しました。
結果は、残念ながら、A,B,Cで遺産を分割するとの裁判所の判断が示されましたが、当事務所の様々なネットワークを利用した立証活動としてご紹介させていただきます。


2 相続人欠格が認められた事例

来所の経緯

依頼者は、遺言者が母である自筆証書遺言(※)が無効であることを確認する判決を得ました。その理由は、依頼者の弟において、母が、認知症により遺言能力を欠いている状態であることを知りながら、弟が有利になる内容の自筆証書遺言を母に作成させたというもので、依頼者から、さらに、弟の行為が、民法891条5号の相続欠格事由に該当することの確認を求めて欲しいとの依頼を受けました。

※自筆証書遺言
民法968条に定められてる遺言方法のひとつ。「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」とされている。


弁護士の対応

民法891条5号は、「相続に関する被相続人の遺言書を偽造した者」を欠格とすると定めており、本件は、必ずしも、弟本人が遺言書を偽造した事案ではありませんでしたが、文献上、意思能力がない状態を利用して、被相続人に遺言書を作成させることも「偽造」に該当するとされていることから、訴えを提起することにしました。

解決内容

裁判例や学説を調査し、多数の凡例・学説を裁判所に提示した結果、裁判所は、弟が相続人としての資格を有しないことを確認する旨の判決を言い渡しました。


1 無効の遺言書を死因贈与契約に読み替えた事例

来所の経緯

依頼者の夫は、生前、全ての財産を依頼者に相続させる旨の自筆証書遺言(※)を作成して、依頼者に手渡し、その後亡くなられましたが、その自筆証書遺言には日付が記載されていなかったことから、当事務所に来所されました。

※自筆証書遺言
民法968条に定められてる遺言方法のひとつ。「遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。」とされている。


弁護士の対応

日付が記載されていないので、自筆証書遺言としては、法律上の要件を満たしておらず無効になってしまうが、依頼者の夫が依頼者に対し、自筆証書遺言を交付していることから、その時点で死因贈与契約(※)が成立したものとして、死因贈与執行者(※)の選任を申し立てることを提案しました。

※死因贈与契約
贈与者が死亡することによって、効力が生ずる生前の財産の贈与契約。

※死因贈与執行者
死因贈与契約の内容を実現するために必要な行為や手続きをする人。

解決内容

依頼者が夫から自筆証書遺言を手渡された経緯等について、依頼者の陳述書を作成し、死因贈与執行者の選任を申し立て、死因贈与執行者が、死因贈与の履行として、全ての財産を依頼者に相続させることができました。

栄総合法律事務所

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