交通の事例
※守秘義務の関係で、一部内容を変えて記載している場合があります。
※掲載した事例は、当時の法令や社会情勢に基づいた参考事例であって、
その後の法令改正や個別の事情により、結論が異なる場合があります。
13 | 貨物車と自動二輪車が併走中に衝突した事故において、相手方が後遺障害等級第14級第9号に該当する頚部痛および左膝痛等が残存したと主張したが、事故状況から相手方の身体に大きな衝撃が加わったとは考えづらいとして、本件事故による後遺障害の残存を否定し、かつ、本件事故発生の原因の大部分が相手方にあると判断された事例 自保ジャーナル№2119号(2022年10月13日発行)掲載 |
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来所の経緯
当初、依頼者加入の保険会社にて対応していたところ、相手方代理人弁護士から訴訟提起がなされたため、訴訟対応のため当事務所へ来所されました。
弁護士の対応
保険会社および依頼者から事情を聴取したうえで、実況見分調書や医療記録の取付けをおこない、客観的事実を基にした主張立証をおこないました。
解決内容
本件事故に基づき相手方の身体に大きな衝撃が加わったと判断することはできないこと(損害論)、相手方の主張する事故状況は客観的証拠と矛盾し、客観的証拠から明らかとなる事故状況を前提とすれば相手方の過失が大きい事案であること(責任論)を丁寧に立証していきました。
その結果、相手方から依頼者に対して既払金を除いて600万超の請求がなされましたが、第1審、第2審のいずれについても請求棄却(相手方の請求には理由がないと裁判所が判断すること)の判断が下されることとなりました。
12 | 依頼者の運転する車両が信号交差点を歩行中の相手方と接触した交通事故に関し、左膝関節機能障害及び左膝痛の残存を理由として12級の後遺障害が認められるとの相手方の主張につき、左膝の症状は交通事故とは無関係の変形性膝関節症の進行によることが強く窺われるとして、当該後遺障害を否認した事例 自保ジャーナル№2119号(2022年10月13日発行)掲載 |
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来所の経緯
依頼者は、車両を運転中、歩行者である相手方と衝突し、怪我をさせたとして、相手方との示談交渉を当事務所に依頼されました。
弁護士の対応
相手方は、交通事故によって左膝を含む全身を負傷したが、左膝に関節機能障害と疼痛が残存したとして、後遺障害第12級を主張し、依頼者に対して約1,900万円の損害賠償を求める訴訟を提起しました。
当該訴訟において、相手方の医療記録を取り付けて分析し、相手方の左膝の変形性膝関節症は本件事故との関係を認めることができず、後遺障害は残存しない旨の意見書の作成を協力医に依頼するなどの立証活動を行いました。
また、刑事記録を取り付けて事故態様を分析し、依頼者の尋問を通じて客観的な事故状況を明らかにし、過失相殺が認められるべきである旨の主張を行いました。
解決内容
上記協力医の意見書を提出の上、相手方の医療記録から読み取れる相手方の負傷状況を丹念に立証した結果、裁判所は、相手方の膝の障害につき、事故に基づく後遺障害該当性を否定したほか、相手方に10%の過失相殺を認定し、約250万円の損害賠償を認める判決を言い渡しました。
その結果、相手方の請求を約1,600万円減ずることが出来ました。
11 | 依頼者による追突事故につき、当該事故の2年半後に死亡した相手方の家族からの賠償請求訴訟において、相手方の脳脊髄液減少症、PTSD等の傷病発症および相手方死亡と本件事故との間に相当の因果関係が認められないとし、頚部痛による後遺障害14級の限度で認定した裁判例 自保ジャーナルNo.2018号(2018年7月26日発行)掲載 |
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来所の経緯
当初、依頼者加入の保険会社にて対応していたところ、相手方から、車両の損害につき高額の賠償請求がなされたため、賠償額の相当性の判断を求めて、当事務所へ来所されました。
弁護士の対応
保険会社より経緯の詳細を確認し、調査会社に依頼して相手方車両の積載物を見分するなど損害調査を指示し、調査結果を踏まえて示談交渉にあたることとしました。
解決内容
当初の主な争点は、相手方車両の損害額でありましたが、相手方は、本件事故による頚椎捻挫の通院治療をしているうちに、脳脊髄液減少症、PTSD等、より重篤な傷病を発症したとして、これらに関する賠償を請求しました。相手方は、本件事故後、2年半経過して亡くなったことから、相手方の家族らは、相手方の死亡ないし重度の後遺障害を理由とする損害賠償を求めて訴訟を提起しました。訴訟において、当方は、相手方の医療記録を詳細に分析するなどし、相手方死亡と本件事故には相当因果関係のないこと、脳脊髄液減少症等の発症は認められず、頚椎捻挫による後遺障害の限度で認めるのが相当である旨、主張立証したところ、裁判所は、ほぼ当方主張に沿う内容の判決をしました。
10 | 相手方からの損害賠償請求に対し、依頼者の過失を否定した事例 自保ジャーナル№2008号(2018年2月22日発行)掲載 |
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来所の経緯
依頼者は、駐車場から公道に進入した際、公道を中央線を超えて走行してきた相手方車両と衝突しました。この事故により、相手方から依頼者に対して損害賠償として、物的損害および人身損害を請求する訴訟が起こされ、弁護士へ訴訟対応を依頼したいとのことで来所されました。
弁護士の対応
本件交通事故に関し、刑事記録上は相手方車両が中央線を超えずに走行していたこととなっており、依頼者にも過失が生じ得る記載となっていました。しかし、刑事記録に記載された道路幅員と公道を走行する他の車両との位置関係のほか、相手方車両の幅員および目撃者の証言からすれば、刑事記録の内容は事実とは異なる記載であるとの主張が可能であるとお伝えし、訴訟では、相手方車両が中央線を超えて走行していた事実を主張し、依頼者の過失はないとの方針で対応していくこととしました。
解決内容
訴訟で主張・立証を行った結果、刑事記録の記載が不合理であって、相手方車両が中央線を超えて走行していた事実が認定され、依頼者の過失はないとする旨の第一審判決および控訴審判決を得ることが出来ました。
9 | 依頼者の過失割合を小さくして、通勤のための交通費を得た事例 |
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来所の経緯
依頼者が自動車を路側帯に停めていたところ、後方から走行してきた車両に追突されました。依頼者は自動車を通勤に利用していたため、修理期間中の通勤のための交通費を請求したいとのことで、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
加害者側保険会社は、依頼者が駐車禁止場所に自動車を停車したこと、その場所が視界不良な場所であったこと、駐停車方法が不適切であることなどを主張して、依頼者の過失を6割とし、修理費のみの賠償を提示したとのことでした。事故現場の状況等を詳細に聴取したところ、必ずしも視界不良とは言えないことが判明し、その事実を明らかにするための事故状況の再現写真を多数撮影して、証拠化することを説明しました。そして、依頼者の過失割合を大幅に減じうる可能性があり,修理費に限らず、通勤交通費も賠償対象として請求できることを依頼者にお伝えし,相手保険会社との交渉を開始しました。
解決内容
事故現場の状況や停車した状態を写真撮影するなどして、加害者側保険会社と交渉を行った結果、加害者側保険会社から、依頼者の過失を1割として、一定期間、通勤のための交通費の支払を受けることができました。
8 | 無実を証明し、運転免許取消処分を回避した事例 |
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来所の経緯
依頼者が、マイクロバスを運転し片側二車線の高速道路を走行中、追い越し車線に進路変更したところ、後続して来た追い越し車線上の自動車が、左に急ハンドルを切り、走行車線上のトラックに突っ込み、自動車に乗車していた3名が亡くなりました。
依頼者の追い越し車線への進路変更が原因で事故が発生したとして、依頼者は、運転免許を取り消されることとなりましたが、追い越し車線に後続車がいないことを確認して進路変更したので納得できないとして、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
行政処分に関係する書類を全て閲覧・謄写(コピー)し、現場に残されたタイヤ痕、追突されたとするトラックの形状、死亡するに至った車両の損壊状況、目撃者の目撃状況を詳細に検討することとし、その方針を伝えて、事件の依頼を受けました。
解決内容
上記検討に加え、工学鑑定により衝突時の衝突状態を物理科学的に推定し、コンピューターグラフィックを用いて、残されたタイヤ痕から現場を再現して、依頼者の引き起こした事故ではなく、走行車線上に停車していたとされるトラックが無理な車線変更(走行車線から追い越し車線へ)したことを明らかにし、運転免許停止処分を阻止しました。
7 | 8400万円以上の損害賠償請求の大半を棄却した事例 |
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来所の経緯
依頼者が交通事故を起こし、被害者から、その事故により外傷性脳損傷の傷害を負ったとして、後遺障害7級の8400万円以上の賠償請求を受け、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
被害者の主張に対し、被害者が通院している病院の医療記録(カルテや画像など)を裁判上の手続で取り寄せ、この内容を精査し、被害者の障害が7級の後遺障害に当たるのか調べることにしました。
解決内容
被害者の医療記録を丹念に調べ、「本件事故に基づく被害者の傷害が軽微なものであったこと」を裏付ける医療記録中の記述を指摘して、「7級の後遺障害の残存」を否定し、併せて、相当程度の素因減額(※)を主張したところ、裁判所は、当方の主張を容れて、被害者の後遺障害を否定したうえ、4割素因減額し、被害者の8400万円以上の請求に対し、46万円の支払を命じる判決を言い渡しました。
※素因減額
交通事故による損害の発生・拡大が、被害者の有する事情(素因)に原因がある場合に、加害者が支払うべき賠償金を減額すること。
6 | 保険契約者が急ブレーキをかけ、故意に追突させたことを立証した事例 |
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来所の経緯
後続車に追突されて受傷したとして、保険契約者から損害保険会社に、傷害保険契約に基づく保険金の請求がなされました。ところが、保険契約者の主張する追突事故前後の事情は、不自然・不合理な点が多々あったため、損害保険会社の担当者が、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
損害保険会社および損害調査会社と協力して、事故現場、事故態様、車両の損傷状況等を調査し、保険契約者の主張する事故前後の事情が不自然・不合理であることの証拠を収集することとしました。
解決内容
追突事故は、保険契約者が先行車両を追い越した後、急にその前方に進路を変えて、急ブレーキをかけたために発生したと考えられました。しかし、保険契約者は、進路前方に小動物が現れたために、急ブレーキをかけたと主張していました。調査の結果、小動物が当時、当該道路上に現れるとは考えられないこと、従前、保険契約者は数々の受傷事故により、傷害保険契約に基づく保険金を受けていること、生活資金に窮していることなどが判明し、それを証拠化して、保険金を支払わない旨通知しました。保険契約者は損害保険会社に対し、保険金支払請求訴訟を提起しましたが、当方が、調査結果に関する資料を提出したところ、裁判所は、保険契約者が故意に発生させた事故であるとして、保険契約者の請求を棄却する判決を下しました。
5 | 2300万円以上の損害賠償請求を棄却した事例 |
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来所の経緯
依頼者が交通事故を起こし、被害者から、その事故により脳脊髄液減少症の傷害を負ったとして、後遺障害12級の2300万円以上の賠償請求を受け、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
被害者の主張に対し、被害者が通院している病院の医療記録(カルテや画像など)を裁判上の手続で取り寄せ、この内容を精査し、被害者の障害が12級の後遺障害に当たるのか調べることにしました。
解決内容
被害者の医療記録を丹念に調べ、「本件事故に基づく被害者の傷害が軽微なものであったこと」を裏付ける医療記録中の記述及び「被害者には、脳脊髄液減少症の典型的症状である起立性頭痛が生じていないこと」などを指摘したところ、裁判所は、当方の主張を容れて、被害者の「脳脊髄液減少症の発症」や「12級の後遺障害」を否定し、被害者の請求を棄却する判決を言い渡しました。
4 | 加害行為(追突)がないことを立証した事例 |
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来所の経緯
依頼者は、依頼者車両が相手方車両に追突したとして、修理費用の支払いを求める訴訟を提起されました。
しかし、依頼者は、相手方車両に追突した事実はないと主張し、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
依頼者は、不本意ながら警察官に追突の事実を認めてしまったとのことで、依頼者が追突事故の加害者である旨の交通事故証明書が作成されていました。
そこで、双方車両の損傷部位とされる部位の検証、道路状況等を詳細に検討し、事故後の実況見分が事実を表していないと主張することにしました。
解決内容
粘り強く相手方の主張に対して反論し、また、当事者尋問で相手方の供述が不合理・不自然であることを裁判官に印象づけることができ、相手方の請求を棄却する判決を得ることができました。
3 | 当方の主張する過失割合が認められた事例② |
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来所の経緯
依頼者は、自動車を運転中、対向車線を走行してきた相手方車両と正面衝突しました。
相手方は、本件事故がいわゆるセンターラインオーバーの事故であり、本件事故発生の責任は全て依頼者にあると主張して、訴訟を提起したため、依頼者は、当事務所への委任を希望して、来所されました。
弁護士の対応
本件事故は、警察が当事者それぞれの主張に沿った2つの実況見分調書を作成していました。そのため、裁判では依頼者に対する証人尋問が実施される可能性が高いこと、尋問においては依頼者の主張に沿った実況見分調書こそが事実に則していると合理的に説明できなければならないことを説明し、相手方に対し応訴することとしました。
解決内容
本件事故の発生から、かなりの時間が経過していたこともあり、依頼者との間で証人尋問に向けた打合せを繰り返し行い、当時の状況を十分に思い出してもらいました。そして、依頼者に質問する主尋問の準備を行うとともに、相手方弁護士による反対尋問に備えました。
その結果、当方の主張に近い過失割合を前提とした和解を成立させることができました。
2 | 当方の主張する過失割合が認められた事例① |
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来所の経緯
依頼者は、トラック運転手として顧客の荷物を配送中、後方を走行していた相手方から煽り運転や幅寄せをされた結果、相手方自動車と衝突しました。
相手方保険会社は、依頼者の運転に問題があったとして、損害賠償金の支払いに応じなかったため、依頼者は、当事務所へ来所されました。
弁護士の対応
本件事故においては、依頼者が怪我をしていたことから、警察が実況見分調書を作成していました。依頼者に対し、警察が作成した実況見分調書を入手して、依頼者の主張の正当性を示すべきであることと、それでも相手が応じない場合は訴訟を提起すべきであることをお伝えし、相手方保険会社との交渉を開始しました。
解決内容
相手方保険会社との交渉において、相手方保険会社が、相手方の一方的過失により本件事故が発生したものであることを認めなかったので、訴訟を提起しました。
相手方に代理人が就いたため、代理人弁護士と交渉したところ、本件事故が、相手方の一方的過失により生じたものであることを前提とした和解が成立しました。
1 | 妊娠中の専業主婦につき、主婦休損を満額認めさせた事例 |
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来所の経緯
子供を迎えに行くために自動車を運転していた依頼者は、前方を見ていなかった車両に追突されました。その結果、依頼者は、打撲や捻挫などの怪我を負い、主婦業にも支障が出てしまいました。
怪我の治療が終了した後、加害者が加入している保険会社から賠償額の提示を受けたものの、依頼者には、その金額が妥当であるか否かが分からなかったため、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
内容を確認したところ、加害者側保険会社が依頼者に提示した賠償額は、自賠責保険の基準で算出された非常に安価な金額でした。
そこで、代理人となって加害者側保険会社との交渉をした場合、大凡、20万円~30万円程度、賠償額を増額できる可能性が高いことを依頼者にお伝えし、加害者側保険会社との交渉を開始することにしました。
解決内容
加害者側保険会社は、依頼者が妊娠していたことを理由に、事故前から依頼者の主婦業が制限されていたと主張しました。そこで、依頼者から事故前の主婦業の様子を詳細に聞き取り、陳述書を作成して提出しました。また、依頼者の通院する産科医師に、依頼者が妊娠のために主婦業を制限しなければならない状態にあったか否かを照会しました。依頼者の陳述書や医師の回答書を提出したことにより、加害者側保険会社は、当初の賠償額より30万円以上多い金額を提示し、示談が成立しました。