企業法務の事例
※守秘義務の関係で、一部内容を変えて記載している場合があります。
※掲載した事例は、当時の法令や社会情勢に基づいた参考事例であって、
その後の法令改正や個別の事情により、結論が異なる場合があります。
3 | 大手外食チェーンから建設協力金の預託を受けてファミリーレストランを建築し、これを賃貸する契約に関して建築請負契約にも関与した事例 |
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来所の経緯
依頼者は、大手外食チェーンから、「依頼者の所有する土地に依頼者においてファミリーレストランを建てて頂き、大手外食チェーンがその店舗を賃借したい」との申し出を受けました。大手外食チェーンは、依頼者に対して店舗建築費用を建設協力金として預託し、依頼者は、その建設協力金で大手外食チェーンの欲する店舗を建築して、賃貸するというものでした。そして、建設協力金については、依頼者が月々の賃料から一定額づつ分割して大手外食チェーンへ返済することとし、賃料と相殺するので、建物が依頼者の所有になる他、依頼者の手元には、相殺後の賃料が入るというものでした。依頼者は、どのような点に留意したらよいか相談するため、当事務所に来所されました。
弁護士の対応
「建物賃貸借契約」は勿論のこと、「建物建築契約の内容」、「建物建築費用につき、建設協力金を超える部分の依頼者の負担の有無」、「建築設計契約の内容」等々、各種契約書を点検したうえで、必要となる合意書等を作成する必要があり、また、建築請負契約については、建築関係図面をチェックして、想定外の負担が依頼者に生じないか確認する必要があることを説明しました。そして、この作業を行うには、一級建築士の協力を得ることが必要不可欠であることを説明し、依頼者から了解を得て、当事務所が提携している一級建築士と協力して進めることにしました。
解決内容
各種契約書の点検および作成につき、大手外食チェーン担当者だけでなく、建設業者や設計士と交渉し、依頼者に不測の負担や損害の生じないことを確認しました。
また、設計図面や、役所に提出する建築関係の書類については、一級建築士と綿密な打ち合わせを重ね、設計・施工段階で施主となる依頼者に責任が生じないよう十分な検討を行いました。
その結果、交渉を有利に進めることができました。
2 | 任期中の取締役から辞任届けを得た事例 |
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来所の経緯
依頼者は株式会社の代表取締役で、平取締役Aと意見が対立していたところ、複数の社員が、平取締役Aが取締役を辞任しないなら会社を辞めると言い出しました。依頼者は、平取締役Aを取締役から解任することが可能なのか相談するために来所されました。
弁護士の対応
当該会社の定款には取締役の任期が10年とされていたため、残任期間が6年以上あり、正当な理由なく取締役を解任すれば、残任期間中の取締役報酬額に相当する損害賠償請求がなされる可能性がありました。そこで、平取締役Aと経営方針について十分協議したうえ、平取締役Aが保有している当該会社の株式を買取り、相当額の退職金を支払う方向の解決を目指し、交渉を開始することにしました。
解決内容
平取締役Aとの間で粘り強く交渉を続けた結果、株式を相当額で買い取るなどし、取締役を辞任してもらうことができました。なお、同様の問題が生じることを回避するため、取締役の任期を変更するなど、定款の整備を行いました。
1 | 法務監査により、リスクを未然に防止した事例 |
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来所の経緯
依頼者である公開会社A社は、非公開会社B社の全株式の取得を検討しているとして、当事務所に、B社に対する法務監査(人事・労務、契約関係、環境等について)を依頼するために来所されました。
弁護士の対応
B社から開示された書面による情報、電子メールによるB社に対する質問及びこれらの質問に対する回答等を精査し、また、B社代表取締役等に対するインタビュー等を実施することにしました。
解決内容
法務監査の結果、B社の株主が無権利者である可能性、未払賃金の存在、アスベストの存在リスク等の問題が多数発見されました。そのため、当該リスクを対処するための株式譲渡契約書を作成しました。