福島県郡山市で発生したLPガス爆発事故に関する当事務所の取り組み 事案 令和2年7月30日、福島県郡山市島2丁目44-30所在の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」がLPガスによる爆発で損壊し、死者1名、重傷者2名、軽傷者17名の被害と、建物等の損害約13億5400万円(令和6年1月末時点での訴え提起分による)が発生した。 当事務所の立ち位置 当事務所は、全国LPガス協会顧問弁護士および埼玉県LPガス協会顧問弁護士を務め、平成7年からLPガス事業に関与してきたものであるが、今般、上記爆発事故に当たり、LPガス保安機関である協同組合郡山エルピーガス保安管理センターから、上記爆発原因の調査および当該保安機関の法的責任の有無についての回答を求められた。 当事務所は、与えられた資料および収集可能な資料を子細に検討した結果、上記保安機関には、当該爆発事故にかかる責任はなく、業務上過失致死傷の刑事責任も民事上の損害賠償責任もないものと判断し、現在、民事訴訟および刑事事件(不起訴処分がなされた後、検察審査会により再捜査決定がなされた)につき、訴訟代理人および弁護人として職務を遂行している。 当事務所の見解 上記爆発事故の発生原因を調査するに当たっては、現場の状況からどの程度のLPガスが漏れており、かつ、どの程度のLPガスが滞留していたと推定されるのか、当該LPガスが漏洩したとされる配管等の亀裂はどのような形状であるのか、当該亀裂と滞留したLPガスとは相関関係を有すると言えるか否か、当該亀裂が生じたと考えられる原因は何か(腐食による孔食か、他の工事等による損傷か)、爆発事故直前に行われた店舗内改装工事の状況および作業員がガス漏れに気づいた日時と場所、さらには、爆発事故の約8ヶ月前から事故発生時までのLPガスの使用量とLPガス機器によるガス漏れ防止機能の性能等を総合考慮した。 その結果、LPガスの漏洩は、爆発事故前日の午後3時ころに開始し、翌朝午前9時ころに本件店舗内にLPガスが充満して、工事責任者が店舗内に入った際の何らかの行為により着火したものと推定されており、その漏洩については、配管の亀裂が腐食によるものではなく、工事等の外力によるものと考えられることから、上記爆発事故について、保安管理センターには、刑事責任および民事責任がないものと判断した。 その他 以上の詳細については、民事訴訟と刑事事件捜査において、裁判所や捜査機関に提出している。 上記爆発事故については、LPガスにかかる業務上の知識を基にした、詳細なる検討を要するものであって、当事務所の永年の業務遂行結果を尽くして対応しているところである。LPガスに関する問い合わせ等は、LPガスに関する専門的知見を有する法律家に相談されるようお勧めする。
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